結婚相談所のスピード離婚は多い?「離婚率10%」を検証

結婚相談所のスピード離婚は多い?「離婚率10%」を検証 うまくいかない時・やめ方

この記事でわかること

  • 「スピード離婚」の定義と公的統計の見方
  • 「離婚率10%」の出どころを読み比べた結果
  • 「3組に1組が離婚」という計算のからくり
  • 相談所婚で交際期間が短くなりやすい理由

まず結論

「結婚相談所は離婚しやすい」も「離婚しにくい」も、公的統計で裏づけられる主張ではありません。出会い方(結婚相談所・恋愛結婚・お見合いなど)別に離婚を追跡した公的な統計調査は存在しないためです。よく見かける「離婚率10%」は、複数のサイトを実際に確認した範囲では出典を示せていない数字でした。交際期間が短くなりやすい傾向はIBJの成婚白書のデータで確認できますが、それは不安定さの証拠ではなく、仲人が間に入る仕組みの違いだと説明されています。不安が残る場合の選択肢(延長・相談・断る)は後半で整理しています。

「結婚相談所 スピード離婚」で検索すると、交際からわずか数ヶ月で結婚を決める話と、それに続く「離婚率が高いのでは」という不安が同時に出てきます。加えて目にするのが、「相談所の離婚率は10%」という数字です。

この記事では、この数字が実際にはどこから来ているのかを確認し、「3組に1組が離婚する」という言い回しの計算の仕組みも合わせて整理します。

「スピード離婚」の多さは、公的統計だけでは判断できない

この記事では「スピード離婚」を、交際や結婚からごく短期間で離婚することを指す言葉として使いますが、法律や統計上の正式な定義があるわけではありません。

まず押さえておきたいのは、出会い方別に離婚を追跡した公的統計は存在しないため、「結婚相談所はスピード離婚が多い」とも「少ない」とも、統計で断定することはできないという点です。

厚生労働省の令和6年(2024)人口動態統計(確定数)によると、2024年の婚姻件数は48万5,092組、離婚件数は18万5,904組、離婚率(人口千対)は1.55でした(出典:厚生労働省「令和6年(2024)人口動態統計(確定数)の概況」、2026年8月確認)。

この「離婚率1.55」は、人口千人あたりの離婚件数を示す指標で、「結婚したカップルのうち何%が離婚するか」という意味ではありません。人口全体を分母にしているため、婚姻したカップルだけを対象にした割合よりも小さな数字になります。

この違いを押さえておくと、次に見る「3組に1組」という言い回しの誤解も理解しやすくなります。

また、この統計は結婚相談所経由か恋愛結婚かといった出会い方を区別していません。つまり「相談所で結婚した夫婦の離婚率」を、この統計だけから取り出すことはできないということです。

婚活サイトでよく見かける「日本では3組に1組が離婚する」という言い回しも、同じ年の離婚件数を同じ年の婚姻件数で割っただけの数字です。

2024年の数字で計算すると、18万5,904組÷48万5,092組で約38.3%(3組に1組強)になりますが(出典は前出の厚生労働省統計と同じ)、これは同じ夫婦を何年も追いかけて「その後何%が離婚したか」を示す統計ではありません。

別の年に結婚した夫婦の離婚件数と婚姻件数を、たまたま同じ年で比べているだけの計算です。「3組に1組」も「約38%」も、離婚の絶対数が多いことではなく、計算方法の性質そのものを示しています。

「結婚相談所の離婚率は10%」という数字を、実際に読み比べてみた

「離婚率10%」を実際に読み比べた検証表

ゆいの取材メモ

「結婚相談所 離婚率 10%」という数字を掲載しているサイトを複数実際に開き、出典の記載があるかどうかを確認しました。※サイトを実際に開いて確認した範囲の記録です。資料請求・無料相談・体験登録はしておらず、交際・成婚の体験もありません。

見かけた数字 出典として書かれていたもの
結婚相談所の離婚率は約10% 出典の記載なし。「実は正確なデータはありません」と著者自身が明記していた
お見合い結婚の離婚率10% 結婚相談所そのものの調査ではなく、恋愛結婚の離婚率について論じた別の記事のグラフが根拠として引用されていた
結婚相談所の離婚率は約10%前後 相談所連盟の「肌感覚」「経験則」と説明されており、統計調査の名称は示されていなかった

3サイトとも、根拠として挙げられていたのは公的統計でも民間の追跡調査でもありませんでした。「10%」という数字自体が誤りだと断定するわけではありませんが、少なくとも今回確認した範囲では、出典を示せる形では見つかりませんでした。

この数字を見かけたときは、何の調査の、いつのデータかまでさかのぼって確認することをおすすめします。

相談所婚で交際期間が短くなりやすい理由

相談所での結婚がスピード婚に見えやすいことには、データで確認できる理由があります。IBJの「成婚白書2024」によると、2024年に成婚した初婚者の交際日数(中央値)は約4ヶ月、在籍日数(中央値)は約9ヶ月でした。

一方、国の第16回出生動向基本調査(独身者ならびに夫婦調査)による一般的な平均交際期間は4.3年で(出典:国立社会保障・人口問題研究所「第16回出生動向基本調査 結果の概要」)、IBJの成婚白書ではこれと比較して「成婚者の交際期間はその12分の1程度」と説明されています(この対比自体はIBJ側の資料内の説明です。出典:IBJ「成婚白書2024」)。

これは、IBJの活動の流れが「お相手探し→お見合い→仮交際→真剣交際→成婚(婚約)→成婚退会」という段階を踏み、間に婚活カウンセラー(仲人)が入って価値観のすり合わせを早い段階で進める仕組みになっているためと説明されています。

呼び方や区切り方(仮交際・プレ交際など)は連盟や会社によって異なるため、「結婚相談所はどこも同じ仕組み」とは限りません。

交際期間が短いこと自体は、成婚白書の中でも不安定さの指標としては扱われていません。

同じ資料では、再婚者は初婚者よりさらに交際日数が短く(相手を選ぶ基準が明確になっている傾向があるためと成婚白書内で説明されています)、成婚者は退会者より在籍日数が短いという傾向も示されています。

これらから、短期間で意思決定できる人ほど活動が前に進みやすい、という見方もできますが、これは筆者の解釈であり成婚白書自体の結論ではありません。

いずれにせよ、これは相談所での活動のスピードを示すデータであり、その後の離婚のしやすさを示す数字ではありません。

交際期間が短いときに気をつけたい3つの視点

交際期間の長さそのものより、その期間に何を確認できたかのほうが重要です。婚活では、次の3つのすり合わせが後回しになりやすいと言われています。

  • 結婚後の暮らし方(同居・共働き・家事分担の考え方)
  • お金の管理方法(生活費の分担・貯蓄・実家への援助など)
  • 子どもを持つかどうか、持つ場合の時期についての考え方

短い交際期間だと、この3つは特に後回しになりがちです。真剣交際に進む前、あるいは成婚を決める前に意識して話す機会を作ることが、期間の長さよりも実質的な確認になります。

成婚を決める前のチェックリストと、不安なときの選択肢

成婚を決める前のチェックリストと、延ばす・相談する・断るの選択肢

「決めるのが早すぎるのでは」と感じたら、まず次の項目を自分の中で確認してみてください。

  • 上で挙げた3つの視点について、実際に話す機会があったか
  • 相手の考えを「まだ聞けていない」と感じる項目が残っていないか
  • 「早く決めなければ」という焦りが、担当者や連盟の期限から来ていないか

延ばす・相談する・断る、どれも選んでいい

不安が残ったまま期限だけが迫っている場合、選べる選択肢は一つではありません。

真剣交際の期間を延ばせるかどうかを担当者に相談する、成婚を決める時期を先送りする、あるいは今回は縁がなかったとして断る——どれも婚活を続けるうえで選んでよい選択です。

相談するときは「真剣交際の期限を延ばすことはできますか」とそのまま担当者に聞いてかまいません。期限のルールや延長の可否、延長を申し出た場合の交際の扱いは会社や連盟によって異なるため、契約書や担当者への確認は個別に行ってください。

判断に迷う場合は、婚活の相談窓口だけでなく、契約や費用に関する不安であれば消費生活センターに相談する方法もあります。

決めたあとで気持ちが揺れたときにできることは、結婚相談所で後悔したとき|時点別に「戻せるお金」と残る選択で時点ごとに整理しています。

成婚率の数字の見方も、今回の「10%」の検証と同じで、分母と定義の確認が欠かせない点です。詳しくは結婚相談所の成婚率のからくり|大手2社の注記を並べて分かったことにまとめています。

⚠️ 交際期間の長さだけで結婚を判断しない

交際期間の長短は、その後の結婚生活の満足度を保証するものでも、危険を示すものでもありません。個別の不安や契約内容に関する判断は、この記事だけで決めず、専門家や消費生活センターにも確認してください。

よくある質問

Q. 交際期間が短いと、離婚しやすいのですか?
A. 出会い方別に離婚率を追跡した公的統計は存在せず、断定できません。IBJのデータは交際期間の短さを示していますが、離婚のしやすさとは別の指標です。

Q. 「結婚相談所の離婚率は10%」という数字は嘘なのですか?
A. 嘘だと断定はできませんが、今回確認した範囲では出典を示せる数字ではありませんでした。見かけたときは出典の有無を確認することをおすすめします。

Q. 真剣交際に進むのが早すぎる気がします。断ってもいいですか?
A. 断ってかまいません。延長できるかどうかは会社や連盟によって扱いが異なるため、まず担当者に確認してください。

Q. 期限の延長を申し出たら、交際が終了になってしまいますか?
A. 一律には言えません。延長の可否や、延長を申し出た場合に交際がどう扱われるかは会社・連盟の規定によって異なります。「真剣交際の期限を延ばすことはできますか」と担当者にそのまま確認し、契約書の該当箇所もあわせて確認しておくことをおすすめします。

まとめ

  • 出会い方別に離婚を追跡した公的統計は存在せず、「相談所は離婚しやすい/しにくい」は断定できない
  • 「離婚率10%」は、複数サイトを確認した範囲では出典を示せていない数字だった
  • 「3組に1組」は同じ年の婚姻数と離婚数を割っただけの数字で、同じ夫婦を追跡したものではない
  • IBJの成婚者の交際期間(中央値約4ヶ月)は一般平均(4.3年)よりかなり短いが、これは仕組みの違いであって不安定さの指標ではない
  • 交際期間の長さより、暮らし方・お金・子どもについて話せたかどうかを確認するほうが実質的

数字に振り回されそうになったら、まず何の調査の、いつの、誰を対象にした数字かを確かめてみてください。それだけで、不安の多くは整理できます。

婚活カタログ編集部。結婚相談所・婚活アプリ・結婚式場を、実際に資料請求や公式サイトの一次情報にあたって中立の立場で比較しています(特定の相談所・アプリに所属しない調査者です)。

ゆいをフォローする
うまくいかない時・やめ方
シェアする
ゆいをフォローする
タイトルとURLをコピーしました